あらすじ
この街じゃ、“ゲーム”がすべてだ。20世紀に流行った、あの昔懐かしのオールド・スクールとは一味違うぜ?
筐体にブチ込むのはコインじゃなく、首の後ろのインターフェイス・プラグから伸びるケーブル。ゲームの世界にジャック・インすると、自分の肉体も魂も――体に埋め込んだ機械パーツさえも、すべてが“武器”になる。
プレイヤーは腕にチェーンソーを、目にレーザーを、ケツにガトリング砲を仕込む。肉体をハイテクで置き換えるたび、ゲームのなかで“強さ”が手に入るからだ。ランキングの頂点を目指すため、人間性を捨て去りバケモノみたいな姿になっちまうヤツも珍しくない。
そんなヤツらは“サイバーパンク”って呼ばれてる。“サイバー”はサイバネティクス。肉体と機械を融合させるテクノロジーのこと。そして、“パンク”はゲームの勝利のために己のすべてを賭ける、ハチャメチャでロックな生き様だ。
おれも今日、サイバーパンクになった。左手には、鼻タレ小僧のころに移植した“マルチツール”。右手には――おっと、それはまだ秘密だ。
ここは人気格闘ゲーム、『The Wish of Fighters』のステージ。相手は鉄クズみたいな全身サイバネ野郎だ。頭のなかでラウンドコールが響き渡る――闘いの準備はOK?