あらすじ
廊下に貼り出された中間テストの結果、黒岡凛人(くろおかりんと)はダントツの一位だった。勉強しか取り柄のない凛人にしてみれば結果は当然。
教室に戻ろうとすると目の前で、白水菜乃(しらみずなの)がプルプル震えていた。いつも底抜けに明るく、学校でも屈指のS級美少女がなぜそんな顔をしているのか、凛人は不思議に思ったが、追求するほど興味はなかった。
放課後、図書室で勉強をしていると、いつの間にか向かいの席に白水菜乃が座っていた。
「リン君……わたしの彼氏になってください」
突然の告白だった。
「断る」
「え~~~」
「いきなりすぎて意味が分からんというか、言葉の使い方を忘れて混乱の極みの中で出たひょうたんから駒……的なセンテンスなんだろ?」
「ちょっち、ちょっちちょっち。リン君の言葉の意味がさっぱり分かりませんな」
「冗談でも彼氏になって……なんて言うな。アホか」
「だって、彼氏になってくれたら勉強教えてくれるでしょ?」
「いやいやいや。ぶっ飛びすぎて俺までぶっ飛ぶところだったわ。そもそも彼氏になって欲しいんじゃなくて、勉強を教えて欲しいと素直に言えないのか?」
「だって、それだとリン君断るじゃん。勝手にやれ、とか。時間がない、とか」
「俺は時間がない。勉強ならそこで勝手にやれ」
「ほらぁ~~~~~っ!! リン君のいじわるっ!」
ツンデレ少年とハイテンション少女の織りなす凸凹ラブコメ開幕っ!!
「リン君が冷たいんだもん。わたしのはじめての人なのに、利用価値がないと思ったらポイだなんて」
「待て。だから待て。なにがはじめての人なんだ?」
「高校生になってはじめての友だちの人。略してはじめての人」
「語弊がありまくりだろ。バカなのか、お前は」
「じゃあ、勉強教えてくれる?」
ダメだ。こいつと話していると疲れる。風呂場にこびりつく黒カビのごとく頑固すぎて、返す言葉の一つ一つがなんだか面倒になる。
「とにかくだ。黒カビ女。今日はもう遅いから終わりだ」
「黒カビってなに? 今日のリン君っていつもにも増してひどくない?」
※この物語はフィクションです。実在する人物、団体等とこの作品には一切の関係・関連はありません。