あらすじ
もしも屋根裏に棲み付いているのが、人工的に生み出された異形の生物だったら――。行き過ぎたバイオ研究による負の遺産、『合成獣』がはびこって既に十余年が経った、平成中後期の日本。謎の被害にお困りですか? 駆除業者の手には負えない? でしたら、我ら『黒川調査事務所』の出番です。たとえ“ランク持ち”の所業であっても、必ずや糸口を掴んでみせましょう――。『合成獣』を中心に、人々の想いが交差するヒューマンドラマ。ハッピーエンドです。
【公募用あらすじ】※!ネタバレを含みます!※
人工的に生み出された異形の生物『合成獣』が民家にまで棲み付いて十余年が経った平成中後期の日本。平凡な女子高生・愛は自らの依頼を機に、合成獣が引き起こす事件を調査する個人事務所に勤めることとなる。
国の研究所で生み出された多様な合成獣の中には、人語を解すほどの知能を持つ者や、自在な変身能力を持つ者もおり、分類の最高等級〔S〕ランクに指定されたそれらは、市井で最も恐れられていた。事務所の所長・豊はその一体を追っているらしく、愛は彼を補佐していく。
合成獣が野に放たれた原因は、十三年前に研究所で起きた爆発事故だった。その事故で両親を亡くした隼、合成獣による事故で父を亡くした鈴村、研究所に併設されていた保育施設で育った新田など、それぞれに事情を持つ所員たちと共に、愛は様々な依頼をこなす。
ある時、Sランクの合成獣『聖』を捕らえよとの依頼が警察から舞い込む。恐る恐る現場に向かうと、なんと聖の正体は、所長である豊その人だった。人型の合成獣である彼は、研究所の責任者である博士に人間として育てられ、爆発事故で死亡した彼の遺志を継ぎ、野に拡散した合成獣を始末していたのだ。
後日、別の依頼をきっかけに、Sランクの合成獣『緑』が姿を現す。聖との直接対決を望んだ緑を倒す過程で、研究所の爆発事故は、行き過ぎた研究を終わらせる為に博士が自ら起こした、という真実が明らかになる。両親の死の真相を知った隼は、博士を擁護する豊に激昂し、彼を退治しようと憤るが、逆に研究所で育った豊から、両親の思い出話を聞かされる。豊が自分の両親をも大切に思っていたことを知り、諭された隼は黙って姿を消す。
豊は博士の遺志を遂げるため、ランク持ちの合成獣を全て始末した暁には自らの命をも絶つ覚悟だったが、豊に救われた愛は彼を説得し、人間として生きる決意を新たにさせる。一年後には隼も成長した姿を見せ、事務所には再び活気が訪れるのだった。