あらすじ
【モブ】とは、その他大勢の名無しであり、どこにでもいそうな特徴のないキャラクターである。
物語でいえば主人公でも敵役でも、ましてや脇役ですらない。背景に溶け込んでいるような、顔も名も無く目立たない存在だ。
だけど僕――佐藤太一は、敢えてモブとして生きることに徹している。
何故、わざわざ自分からモブになろうとしているかって?
恐らく誰だって、己の物語の主役になりたいと思うだろう。だけど僕は違う。主役なんて一切合切興味がない。
人生に荒波を立てず、可もなく不可もなく、平凡平穏な生活を過ごしたいのだ。
ならばどうやって平穏平凡な生活を送ることができるか。その答えにたどり着いたのが「モブ」だった。
モブとして生きることこそが、平凡平穏に過ごす為の最大の近道なのだ。
けれど、モブに徹して生きるのも意外と難しいところがある。
人生とは社会で、誰かと関わり合ったり柵《しがらみ》も多いものだから、否が応でもあちらから物語に引きずり込もうとしてくるんだ。
例えばそう…放課後の帰り道にナンパから“助けてさせられてしまった女の子”が、アメリカから僕の学校に転校してきた帰国子女であり、カリスマモデルの蘇芳アカネだったこととかね。
そんな蘇芳アカネに目を付けられてしまい、モブ生活が脅かされてしまう。
そんな事は許さない。
僕は必ず、モブとして生き抜いていやる。
僕が編み出した、【モブの流儀】を使って。
登校日2025/2/1