あらすじ

そこは、祖父母が初めての口づけを交わした、思い出の場所だった。
 高里柚子(たかさとゆず)は夫・杉原雪杜(すぎはらゆきと)が初めて会ったのは、東京にある柚子の生家だった。
「必ず会いに行く」
 約束を果たせぬまま、時は流れた。
 柚子は美しい少女に成長し、群馬にある小さな町にやって来た。
【東京の大学を出た、エリート軍人との縁談】
 幼い日に両親を結核で失い、母の妹に引き取られた柚子は、叔母夫婦に愛され幸せに生きてきた。
 降って湧いたような縁談で、軍基地のある小さい町にやって来た柚子の前に現れたのは、両親の葬儀で会った雪杜だった。
 優しい雪杜だが、昔のことは覚えていない様子に寂しさを憶えつつも、再会出来たことに柚子は嬉しく思う。
「僕が縁談相手では、不足かもしれませんが」
 上官である立花一登の命令で、代わりに見合いすることになった雪杜の真っ直ぐな想いに、柚子は交際を受け入れる。明日をも知れない予科練生の雪杜と、女学校すら卒業していない柚子の恋。
 二人は惹かれ合い、やがて結婚する。幸せな結婚生活が続く中、雪杜の誕生日に柚子は子供が出来た事を告げる。
「ありがとう、こんな素敵な贈り物は他にない」
 抱きしめ合い、幸せを噛みしめる二人の元に雪杜の出演命令が告げられる。

 食堂の二階にて、柚子は四機の零を見送る。泣きじゃくる柚子の元に届いた、二通の封筒に書かれていたことは。

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アルファポリス
アルファポリス2025/02/07
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