あらすじ
田舎の古びた商店街の片隅に、時代遅れのカラオケボックスが静かに佇んでいる。平日の昼間に訪れるのは、暇を持て余した主婦や老人ばかりで、若者には縁遠い場所――そんな一室で、ひとり熱唱する冴えない青年がいた。
ガリガリに痩せ、汚れたジャージに銀縁眼鏡という冴えない見た目。“女の子のような名前”のせいで幼少期からいじめに遭い、学校を中退した過去を持つ。
だが、彼にはひとつだけ人と違うものがあった。それは――天才の「歌声」。
どこか寂しげで孤独な彼が歌うと、店内の空気が一変する。音程は完璧、感情のこもった歌声は聴く者すべてを魅了し、老若男女を圧倒する。そんな彼の前に現れたのは、ドリームランドを手伝うために帰省してきた一人の少女。
冴えない青年と田舎の古びたカラオケボックス――平凡なはずの舞台で始まるのは、心を揺さぶる歌と人々の交流が紡ぐ、不思議な物語。
才能を持ちながらも、どこか空っぽな心を抱えた青年が、歌を通して何を掴んでいくのか。そして、少女との出会いが、彼にどんな変化をもたらすのか――。