あらすじ
「これで、お前との婚約は破棄する!」
婚約者である王太子エドワード殿下が高らかに宣言した瞬間、広間はざわめきに包まれた。
ここは王宮の大広間。私はこの国、ルヴェンティア王国の名門貴族・リシュリー公爵家の令嬢、アリシア・リシュリー。幼い頃から王太子妃として相応しい教育を受け、礼儀作法も完璧に叩き込まれてきた。だが、今日をもってその立場を失うことになるらしい。
なぜなら、エドワード殿下は今、私の目の前で涙を浮かべる可憐な少女――男爵令嬢リリィ・エヴァンズの手を握り、熱く見つめているのだから。