あらすじ
古い一軒家の窓辺に座り煙草に火をつけると軽く吸い込んだ。続木雪久《つづきゆきひさ》はぼんやりしながら外を眺めている。
ふと階下から名前を呼ばれて立ち上がると銜え煙草で階段を下りた。
『なんだ?』
階下の台所では親友の真舌義直《ましたよしなお》が背を向けている。
『客だ。出てくれ。』
真舌はなにやら手が離せないらしく、仕方なしに雪久は玄関へと向かった。ガラッと戸を開くと、そこに美しい女が立っていた。彼女は着物姿で羽織っていたショールを畳むとにこりと笑う。
『こんにちは。真舌義直さんはご在宅ですか?』
『ああ、少しお待ちください。』
雪久は台所へ戻り柱に寄りかかった。
『誰?』
『さあな、とびきりの美人だ。』