あらすじ
転生者は生まれに上位存在である神が関わる。
それ故に転生者はその世界で特別や唯一無二の地位に至ることが多い。
山田舎育ちのズィーガは転生者だ。ありきたりな一般人、予兆なく急死して、神の眼に止まって特別を与えられながら生まれ直した転生者だ。
そうして与えられた特別、それが転生者という生まれが交じり合いズィーガは本来ならば選ばれるはずのない勇者に選ばれることとなった。
本来選ばれるはずだった少年を押しのけるような形で。
そうして勇者に選ばれたズィーガは聖女と賢者と聖騎士、そして勇者に選ばれる運命であった少年と共に魔王を倒して世界を救う旅路に出た。
なんか違うな、俺じゃなくないか、そんな感じの疑念を抱きつつもズィーガは時に聖剣を投げ捨てながら魔王の配下を薙ぎ倒していく。
時に弱者救済を掲げて危険に飛び込んでいく聖女と付いて行った少年を助け
時に好奇心の赴くままに未知に飛び込む賢者と巻き込まれた少年を助け
時に曲がることを知らない脳筋の聖騎士と引き摺られていった少年を助け
時に強くなりたいと願う少年を少年自身の良さを曲げないように鍛え
旅の仲間であるはずの四人全員にハーネスを付けて、魔王討伐の旅路を続けていたズィーガは突如として勇者の力と資格を喪失した。
時間を停止し、亜空間を移動し、不死性を有していた最強の魔王軍幹部を捻じ伏せたその直後にズィーガの手から聖痕と聖剣が失われた。
歪みの修正。あるべき物たちがあるべき場所へと帰還する、聖痕と聖剣の二つは本来選ばれるはずであった少年の元へと帰還した。
その事実を前にズィーガは、まぁだろうなと思った。
そうしてズィーガが勇者でなく、少年が真の勇者だったという事実は勇者パーティの中に広まった。だが別段これといった糾弾があることもなく、混乱させるだけだから事実を内々に留めておくとしようという結論に至った。
それはそれとして、ズィーガがパーティに居続けるのは歪みの再発に成りかねないということで表向きではズィーガは死に少年が勇者の後継者ということになり、ズィーガは勇者パーティを離脱することになった。
これはその、離脱した側の物語。
あらゆる災禍に巻き込まれる運命にあるズィーガという転生者が、それらの災禍を正面から全て薙ぎ倒してハッピーエンドを引き寄せる物語。
「今日の食事はドラゴンステーキだ」
「またか? 流石に飽きたぞ」
「文句は見つける度に襲ってくるこいつらに言ってくれ」