あらすじ
伯爵令嬢ローザリアと隣の領地の伯爵令息オズモンドとサイラスの兄弟は幼馴染だった。男の子達の後を頑張って付いて歩き、野原を走り回ったり川で魚を捕まえたりと伸び伸びと過ごした。三人はとても仲の良い友人だった。ローザリアとサイラスが八歳の時婚約が整った。ローザリアがサイラスを意識し始めたのは貴族学院に入ってからである。ずっと変わらない態度のサイラスに淡い恋心を抱いていた。最終学年になったある日友人と話しているサイラスの言葉を聞いてしまうまでは。
「ずっと一緒で飽きないのか」と聞かれ「まあな」と言った彼の言葉はローザリアの心を鋭いナイフで切りさいたかのように抉った。
その上偶然馬車で通りかかった時にサイラスが女性を連れて歩いていたのを見てしまう。更に気分転換に友人と街歩きに出た時の帰り道、例の女性に腕に縋りつかれながら連れ込み宿のある横道に入っていくのを目撃してしまいローザリアは恋の苦しさに気付いた。心が鉛を飲み込んだように沈み込み涙が止まらなかった。次期伯爵家当主として婚約を続けるのか否か大事な局面に来ていたローザリアは母親とサイラスの兄に相談する。