あらすじ
この地域は七年に一度上流にある沼に棲む大蛇が暴れることになり、大きな水害に見舞われる。それを鎮めるためには娘を一人、大蛇の生け贄に差し出さねばならない。
今までは事故や病気で親を亡くした娘が選ばれてきたが、今回は適当な者がいなかった。
そんな中、この地域の治める豪族の娘榛名姫が自ら生け贄に名乗り出たのである。
と言うことになってはいるが、実は豪族の当主とその後妻、そして、その子どもたちが先妻の娘である榛名姫を疎んじて、自ら名乗り出たことにして、生け贄に決めたということはこの地域の者たちであれば誰もが知る公然の秘密であった。
それを知るこの地の民たちは姫を待つであろう過酷な運命を思い、憐れんだ。
しかし、榛名姫は単なる悲劇のヒロインになるつもりは全くなかったのである。
ありま氷炎様主催「第十回春節企画」参加作品です。