あらすじ

それは、得体の知れない、なにか。 何処からともなくやってきて、 人を選び、人に寄生する。 宿主の体内で数を増やし、溢れんばかりになったとき、 器を壊さぬように繭となる。 その繭は、梨の果実を模すという。 実物と異なるのは、その大きさ。 まるで、膝を抱えた人一人を すっぽり覆ってしまえそうな程の大きさ。 そして、放つ匂い。 ある種の虫媒花が放つ、選択的かつ、特異的な、 対象にとってのみ甘美なる芳香。 魅入られた者は、明らかに異様なそれに対する 警戒心を失うという。 代わりに植え付けられるは好奇心。 食してみたい、という欲望であるという。 そしてそれは、偶然必然を問わず、 繭を破られることによって、次へと移行する。 暴食者としての正体を顕し、 無数の黒点が群れ立つかのように、舞うという。 そして、事を為した後、 それは拡散するように、薄れ、 何処へと消えてゆくのだという。 誰が言ったか。そんな、話があると云う。

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小説を読もう2020/07/31
  • 現在の作品梨棲み