あらすじ
きっと現実には何も起こらない。魔法も超能力も、都合のいい来世とやら、常識も法則も異なる夢のようなSFじみた異世界も。
そんなことは分かっている。何かが起こればいい。それだって抑えようが無い。だけど毎日毎日、これでもかと何も起こらない日々が、彼を深く深く封じ込めていく。世界は段々彼に応えなくなっていく。
彼が聞いたその声は、遥か昔から聞いていた世界の声だった。耳を澄ますと、それがはっきり彼女の声だと分かる。彼女は、何も応えなくなった世界に何かを起こそうとしていた。
日々嫌気さす者に成り代わって、そんな彼女に彼は言っていた。「本当に何かが起こると心の底から信じてるのか」