あらすじ

夕暮れ時が嫌いだった。  安住の場所がなかった。  さみしい、なんて言ってしまえば――温もりを知ってるから寂しいんだ。最初から知らなきゃ良かったんだ。『その感情の入口』に立たなきゃよかった。知ってしまった手の温度、抱きしめられたときの鼓動のリズム、それが頭の中で何度も反響してしまう。心に貼り付いた痕跡は、どれだけ冷たい水で洗い流しても剥がれない。  私と彼女は言葉の隙間に何かを埋めようとするけれど、埋まる気配なんてない。ただその沈黙の中で、私は自分の顔を撫でていた。いつか自分が猫みたいに静かに消える日を夢見るように。思い返しながら、君のことを考えながら。  お互いに『この世界を出ていくこと』を考える。 『窒息しそうなこの世界』を。  私と彼女の、世界のゆく末は――こんな世界消えてしまえ、とともに願った。その結末を、どうぞ見届けてほしい。   <作者より> この物語はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。

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カクヨム
カクヨム2025/01/13
  • 現在の作品残骸|終わり音は響いてく