あらすじ
一体全体、なぜ、土曜日の午前中に取材にいかなきゃならないんだよ!とカメラマンのボブは文句を言った。そりゃあ、こっちのセリフだぜ、と俺は思う。何の因果でマスコミに入社してしまったんだろう。ガールフレンドは、デートがキャンセルでプンプンだ。
「しかたねえだろ?報道局からの呼び出しなんだから」と俺はボブに言い返した。
「だいたい、アジア人女性が銃撃されて、白人女性が巻き添えになって死亡したってだけじゃないか?ニューヨークで1日何件起こるんだよ、そんなもん!」
「ニュースは全部拾わなきゃあいけないんだよ。中には、とくダネだって混ざっているかもしれんだろ!」
「くそったれ!でも、狙撃があったのが11時きっかりだろ?もう屍体だって搬送されているだろうに」
「だから急いでいるんだよ!」
現場のオープンカフェに到着した。被害者は若いアジア女性と白人の中年女性だった。救急隊員が重症らしいアジア人の方と白人女性の屍体を搬送するのに間に合ったのだ。担架に乗せているところをボブに撮影させた。
アジア人にしては長身で黒の長い髪。かなりの可愛い子ちゃんじゃないか?アジア人の年齢はわからないが、大学生くらいなんだろう。彼女が腰掛けていたと思われるテーブルにノートブックとペンがあり、白人女性の席はその後ろのパラソルの方だ。
撮影はボブに任せて、俺は目撃者を探してインタビューをしようとした。アジア人女性の座っていたテーブルの近くに白人女性がいた。さて、このおばさんは何か目撃したかな?
「すみません、ミズ、私はCNNの者ですが、銃撃事件を目撃されませんでしたか?」
「ハ、ハイ。私は撃たれた彼女の隣に座っていましたので、一部始終見ましたわ」
「なるほど。どんな様子でしたか?」
「彼女は、その隣のテーブルでメモをとっていたようです。それで、彼女がお日様がまぶしかったのか、顔をあげて、太陽の方を向いた途端、側頭部に弾丸が・・・それで、彼女が椅子から倒れたんです・・・同時に後ろの白人女性が頭を抑えて倒れてしまって・・・」
「ふ~む、銃声はお聞きになられましたか?」
「いいえ、銃声なんかしませんでしたわ」
「誰か、狙撃した人間が近くにいませんでしたか?」
「私もパニくって、地面に伏せたんですが、近くには狙撃犯みたいな人間は誰もみかけませんでした。もしかすると、かなり遠距離から狙撃されたんじゃないかな、なんて思います」
「遠距離?狙撃?」
「ええ、若い彼女が顔をあげた時、側頭部から血が出ているのが見えて・・・白人女性は頭部にポツンと銃痕が開くのが・・・もう、スローモーションのように見えました。高い場所から狙撃されたんじゃないでしょうか?若い女性の方を狙った弾丸がそれて後ろの女性に命中したのかも・・・」
「う~ん、この話、カメラの前で、もう1回よろしいですか?」
「イエス、大丈夫ですが・・・あら、警察官がまいりましたよ」
「おっと、急ぎましょう。お~い、ボブ、こっちに来てくれ!」
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この小説は、ガンマ線バーストによる記憶転移と超新星爆発による地球生物種の絶滅を扱っています。多元並行宇宙がこのお話では四つ出てきます。第一宇宙、第二宇宙、第三宇宙、第四宇宙、という四つのマルチバースで構成されています。第一、第二、第三、第四の四つの宇宙には類似した人物が登場します。それを類似体と呼びます。時間軸もずれていて、第一/第二宇宙と第三/第四宇宙の時間軸は二十五年のズレがあります。