あらすじ

兄子《せとし》は、病弱な妹《まい》の助けになりたくて、お金を稼げないかと調べると、ハイリターンを強調するFXの自動売買のサイトが目に留まる。 EAを作成するが上手く行かない。 空を見上げていると、誰かが、何かを、教えてくれている気がした。 その後作りあげたロジックは、もの凄い成績を上げ金銭的な問題は解決した。 でも妹の病が治った訳でもなく、いつ兄子の前からいなくなるか分らない。 妹が生きた証を残そうと、天体観測をして新しい彗星を見つけ、命名権を得た。 だが彗星の軌道は、太陽に接近しすぎる為、消えて無くなる。 彗星は更に木星の軌道付近で二つに割れ、βと識別された方は地球への衝突軌道を突き進む物と天文台の軌道計算で明らかになった。 しかし核が小さく、大気圏内で燃え尽きるとされた。 二人で命名した彗星を観測する為、バルコニーに出てその時を待つと、βが火球となって二人の方へ向かって来る。 燃え尽きた時、光球が軌道を修正し、一瞬の間に妹を襲った。 椅子から滑り落ちた妹の傍に寄った直後、衝撃波が到達し兄子は覆い被さる。 最悪に事態を思うと恐ろしかった。 心肺の状態を確認し妹の部屋のベットへ、全身が熱い、昔から高い熱を出す事が多かった。 熱さましを探し帰って来ると、よほど暑かったのか下着姿で横たわる。 それでも暑いから、服を脱がせて欲しいと言う。兄子は汗を拭く為に応じる。 病院に行こうと問うと、「あは是汝が幸魂奇魂なり」と言う。 言葉が分からない。 して欲しい事があるのか。何でもする。だから病院に行こうと言うと。 「なが身の成り余れる処をもちて、あが身の成り合はざる処に刺し塞ぎたまへ」 解る様に言ってくれと言うと、「あとなと、みとのまぐはひせむ」と言う。 まぐはひ(い)、時代劇で使われていた言葉で、記憶のから想起出来るのはセックス。 まぐはひを終え、眠りにつく妹の頬に触れた時、カッターで指を切った時の様な鋭い痛みがして手を引いた。 妹の顔を見ると、細かい泡がふつふつと湧いている。 泡立ち溶けて行き、直径60cm程度の透明のゲル状の塊となった妹。 球の中央には脳が、脊髄神経を尾っぽの様に垂らし浮かぶ。 失意に嘆く兄子に猛烈な眠気が襲い、【あを愛しく思ひて寝をしなせ】と頭の中で懐かしく感じる声を聞きながら倒れ込んだ。

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小説を読もう2025/01/14
  • 現在の作品宇宙はそんなこときめてない