あらすじ
私の婚約者はこの国の王子様。そして、彼は。
「何としてでも……彼女から婚約破棄をして貰わなくては」
どうやら私に婚約破棄をしてほしいらしい。
「苦手なものでも贈ってみてはいかがですか?」
「なるほど! 良い考えだ」
「確か虫は苦手だったかと」
「虫……?」
ただ、何かにつけて失敗している。
「そんなことをして彼女が怯えたらどうする!」
普段は優秀だというのに、こと私に関しては少々頭が悪くなるのが、その理由である。
これは、とある理由から私に婚約破棄をして欲しい王子様と、その理由から婚約破棄をしたくない私の、ありふれた日常のお話。
「苦手なものといっても少し嫌がる程度で……尚且つ、何か彼女のためになる方が好ましいな」
「では食べ物などは。確か苦手な野菜があったはずです」
「そうだな。ただ、そのままでは食べづらいだろうし、細かく刻んで甘いお菓子で味を隠す様にして……それでも味を感じてしまうかもしれないから、香りが強めの紅茶も合わせて贈った方が良さそうだな。となると」
ああ、頭が痛い。