あらすじ
私、染谷琴音(そめやことね)は、超高齢出産で生まれ、母とは祖母と孫ほど歳が離れている。
だから人より早くこんな日がやってくる。
物心ついた頃からぼんやりと、そんな覚悟はしていたけれど、まさか20代で来るなんて…。
そう。母の認知症が一気に進んだ。
会えずにいた1年半。気付いた時には会話が成り立たなくなっていた。
10年前まで、好きなことも、生き甲斐も、みんな隅っこにやって、ただただ一生懸命育ててくれた母。
とっても逞しく、私を兄を影に日向に守り続け支えてくれた母。
いまは、駄々をこね、憎まれ口を叩き、暴れ回る。
1分前の事なんて覚えていやしない。覚えてないフリもする。ほんっとに憎たらしい。
半面、笑うときは二歳児みたい。泣くときは叱られた小学生。可愛くて、愛おしくて、そして切ないその姿。
次々しでかすビックリ行動。
斜め上にもほどがある、啞然しかない母の言動。
一つ一つのそんな姿に、慌てふためき右往左往の兄と私。
そんな二人をを落ち着けなだめ、一緒に支え手を差し伸べてくれる義姉と夫。
笑顔と余裕を見せながら、鮮やかに母を転がす介護のプロたち。
母を中心に、皆で力を合わせ知恵を絞る。
離れていた家族の心が、少しずつ歩み寄っていく。
認知症も悪くない。お母さん、こんなプレゼント、素敵すぎるよ。
そんな日々の一コマ一コマ。
※ 各話の内容と似たことが現実に起きていますが、登場人物や背景、展開含めフィクションです。てかこんなスムーズにいくわけがない(笑)
※ 短編連作方式です。
※ 但し、介護制度や社会制度はリアルに存在しているものを描いております。
※ 大切な人が老い弱っていく姿、それを見守る家族の物語。親を持つ子ならほとんどの人に訪れるその時を、少しでも垣間見てもらえれば、と思います。
※この作品は「小説家になろう」様、「アルファポリス」様にも掲載しております。