あらすじ
おれ・有栖川雅人はピアニストでありヴァイオリニストだ。
そしておれの妻・美弥子は世界的にも有名なヴァイオリニストで、おれからすれば格上の存在だった。
音楽家としては二流以下のおれだが、それでもおれなりの幸せを掴んでいたと信じていた。あの日までは……。
おれが41歳の誕生日を迎えたその日、妻の美弥子が一人娘を連れて家を出た。
美弥子には学生時代から思いを寄せていた三上宗介がいた。
その彼が離婚したと知ると、美弥子は居ても立ってもいられず、一人娘・沙紀を連れ、ヤツを追いかけて飛び出していったというわけだ。
美弥子の本当の心を知ったおれは、強くない酒におぼれ、失意の中、急性アルコール中毒で意識を失った。
死んだかと思ったが、目覚めるとおれは、15歳の頃に若返っていた。
いや、若返っていた ――― と言うのは間違いで、時も同じく二十五年前にタイムスリップしていたのだ。
つまりおれはタイムリープしたのだ。
そこには高校一年の時のおれの世界が広がっていた。
入学したての学校には、懐かしい顔ぶれがあり、若く初々しい美弥子もいたが、この世界では彼女には関わらないでいようと決めた。
(美弥子と結ばれること以外は、何も変えたくない)
ただ、平穏な人生を歩みたいとおれは願った。
だが、無意識のうちに風見祥子の命を救ったところから、25年前と同じ世界のはずなのに、おれを巡る時の流れが以前とは違うものへと変化し始めていた……。
タイムリープ物を設定すると、とかく重くなりがちですが、わたしはこの物語をタイムリープを中心に置かないで、人生のリメイクチャンスととらえた有栖川雅人の青春ラブストーリータッチで描いて行きたいと考えております。
音楽がモチーフになっているので、アンサンブルやオーケストラの演奏を文章で表現するのはとても難しくて、上手く表現できるかが課題となりましたが、全編において感じた事やご意見などがございましたら、バンバンお知らせくださいね。
改正出来るところや表現方法の見直しなど、いろいろと善処したいと思います。
わたしにとっての新たな挑戦となる作品となりますので、厳しくも温かく見守って頂けるとありがたく存じます。
白鳥 かおる