あらすじ
「今日からあなたは、ネズミと名乗りなさい」
記憶なし、人間じゃなし、されど未知の異能力はある。
それが少年の過酷な運命の始まりだった。
ある少年が目覚めると、そこは羅刹と呼ばれる異能力者が支配する世界であった。
そんな世界で少年は記憶を無くし、肉体は大きなネズミに変化してしまっていた。
自身の現状に絶望し、項垂れていると、同じ羅刹である者から自分にも異能力が備わっていると知らされる。しかし、能力の開花の仕方がわからない。
未知の能力の開花の方法を探求するため、羅刹の頂点に君臨する神、香梨紅子によって『ネズミ』という名前を与えられ、神の子供として滞在することになる。
所在を獲得し、喜ぶ少年であったが、過酷な羅刹世界の洗礼が待っていた。
香梨紅子の能力〈生物の変質変化〉による苛烈な振る舞い。
村に敷かれた、流血を伴う厳しい戒律。
互いに刃物を刺し合う苛烈な紅子の娘達。
自由意志を奪う、神の支配の糸。
そんな過酷な運命に翻弄され続けるも、想い人である少女ザクロに支えられ、少年は奮闘し続ける。
「絶望から這い上がった奴だけが、傷ついた者を癒す花になる」
花か、己か、神か、人か。
これは少年と少女の闘争と逃走の物語。
正しさに苦しんだ末、優しさと楽しさを選び取る、ネズミとザクロの花の道。