あらすじ
かつて、この世界は一度崩壊した。
21世紀に発掘された新エネルギー『エネル』という物質の研究中に、大規模な爆発事故を引き起こして人類は一瞬にして、文明と土地を失う。
それでも人類は諦めずに地道な計測と多大な犠牲を払いながらもエネル浸食下の空間を歩く術を編み出し、エネルに浸食された空間から情報記録媒体を持ち帰っては分析、技術転用しては文明を少しづつ取り戻していっていた。
「ぬああぁ、今月も赤字だぁ~!」
そんな崩壊した後の世界の片隅で、一人の本屋の嘆きが響く。レンジの営む本屋は今日も、閑古鳥が鳴いていた。
「俺の仕事は『本屋』なの、面倒くさい依頼なんざ他の探索者に頼め!」
「他の奴に頼めないからあんたに頼んでるんじゃない、私だって複雑な立場なの」
「複雑な立場の奴がグレーな奴と接触するんじゃねぇよ……っ!」
「じゃあ警察に逮捕されないために私の言うこと聞くしかないわね? ちゃんと依頼料は払ってあげるんだから、別にいいでしょ?」
本業は人一人来ないというのに、副業の『探索者』は大盛況⁉崩壊した世界で本屋を続けるには金が要る、とレンジは今日も依頼を受けて危険なエネル浸食空間へと潜入する。
「未海……にぃちゃん頑張るからな。お前が読みたがってたマンガの続き、絶対見つけて見せてやるから」
これは崩壊した世界で、本屋を営んでる主人公『蓮司』が、本を探すついでに舞い込んできた依頼をこなしていくので、本屋に来る客がみな探索者の方の自分ばかりに用があることに悩みつつも、少しずつマンガや小説といった娯楽の文化を再びこの時代に広めていく話。