あらすじ

バトントワーリング世界大会で、日本人U18で初めて世界大会優勝を勝ち取った少女(小西澪)。
 二連覇が周囲から期待される中、翌年の世界大会では、まさかの日本代表になれず予選敗退してしまう。その年の日本代表が18位だったこともあり、不正審査が行われたのでは、という黒い噂が囁かれ始める。それを聞きながらも、彼女はまた、一年後の大会に向けて努力を始めた。その方法しか、彼女は知らなかったから。
 
 しかし、不幸は重なるもの。2年目の大会から三ヶ月後、実の母が事故で死んでしまう。それを追うように病弱だった父もガンで亡くなる。今まで母に頼っていた生活費を稼ぐためにバトントワーリングの教師を始めるも、チャンピオンの自分を妬む同僚たちのせいで、いじめられる。彼女の精神は着実に追い込まれていった。いつの間にか世界が灰色に見えるようになっていた。
 終わりの見えない練習。両親のいないことによる孤独。今まで自分が持っていたもの全てを信じられなくなってしまい、人間不信に。そして、いじめにより着実に追い込まれ、すり減っていく精神。
 灰色の世界が、真っ黒になったある日。
 彼女は借家から姿を消した。リビングの机の上には置き手紙と、「World Champion」と書かれた金メダルが置かれていた。置き手紙に書いてあったのはたった一文。
「追わないで」
 この日、日本人初、女性チャンピオンはこの日を境に表舞台から消えた。
 しかし、数年後彼女は表舞台にもう一度戻ってくることとなる。
 ソロトワールからペアとして。
 過去神童と称えられた少女は上京してきた妹と共に再び世界大会を目指す。一度諦めたその舞台で、彼女は咲かせることができるのだろうか。一輪の綺麗な花を。
 これから話すのは本当にあってなかったような奇跡のサクセスストーリー。その始まり。

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アルファポリス
アルファポリス2024/12/28
  • 現在の作品舞台の上のマリオネット