あらすじ
『公爵令嬢シドニア。リスティにした仕打ちの数々、許しがたい! 君との婚約は破棄だ!』
ゲーム通りのそんな単純な婚約破棄劇だったのなら、どんなによかったことだろうか。
しかし幼少期に乙女ゲームの知識を得た悪役令嬢シドニアは、品行方正で勤勉であり、国王や王妃からの信頼も厚い。いじめるどころか、男爵令嬢のリスティとは良き友であった。
それでも婚約者の王太子イゼルは、彼女に冤罪を着せてまで婚約を破棄しようとした。「聖女リスティ」の争奪戦に参加するためだとは看破していたが、シドニアは真実が知りたかった。
自分を愛しているはずなのに、別れを告げる彼の本心を。イゼルと会うのは、これが最期になるだろうから。
――――今すぐ背後の勇者に首を斬られるか、王子の用意した兵に捕まって処刑されるか。彼女の活路はもう、二人を「煽り」抜いて仲違いさせることのみ。