あらすじ
王朝が誇る食文化の頂点とされる“後宮薬膳”。その調合を担う薬膳師・瑠々(るる)は、まだ若いながらも卓越した味覚と知識で后妃たちに愛されていた。しかし、ある日を境に薬膳に不可解な風味が混ざり始め、食した人が奇妙な悪夢に魘される事件が頻発する。瑠々は原因を突き止めようと動くが、厨房では怪しの調味料を見たという目撃情報が飛び交い、あやかしの気配が漂うとの噂まで立つ。暗躍する影の正体は、宮廷の内部に潜む意図なのか、それとも本当にあやかしの仕業なのか。華やかな料理の裏で渦巻く闇を暴くため、瑠々は官吏の協力を得て調味料の出所を探る。料理に宿る力が、後宮全体を揺さぶる陰謀を浮き彫りにしていく。