あらすじ

私は幼い頃から母と折り合いが悪かった。妹のように可愛く天真爛漫さを持ち合わせていない私を、母は気持ち悪く思っていたからだ。  両親に愛されて育つ妹から逃げるように、私はこの田舎から飛び出した。  それ以来、家には一度も帰っていない。母からも連絡はない。  これで良かったんだ。距離を取って、お互い干渉せずに生きるしか、私たち母娘の道はなかった。私は二度とあの村には帰らずにこの街で骨を埋めよう。  そう心に決めていたというのに、ありふれた日常の一コマに、母の携帯からの着信が鳴り響く。  戸惑い、恐れ、震えた手で携帯を取れば、電話の向こうからは妹の声が。 「母さんが亡くなったの」  よく分からないショックをカバンに詰め込み、私は数年ぶりに村に帰る。  そこには、私の夫を名乗る見知らぬ男と、その隣にある棺桶に横たわる見知らぬ女の顔があった。  母ではない、女の顔が。

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カクヨム
カクヨム2024/12/26
  • 現在の作品棺桶の中は