あらすじ
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高校生になって二回目の夏休みは、記録的猛暑で。そりゃあ、毎朝ニュースでエアコンを付けるようにキャスターが呼びかけるわけで。テレビから朝のニュースが流れるリビングで、爺ちゃんは今日も変わらず棚の上の小さな額縁の中から俺に微笑む。
朝、室内干ししてある黒いアームカバーを。そう、例えば腕に刺青の入った半グレが着けていそうな、それをバチンと乱暴に引っ張ると、色褪せたピンク色の洗濯バサミが|翻《ひるがえ》る。汗ばんだ右腕にアームカバーを着けるのは難儀な習慣でさ。俺の腕に刺青があるかっていうと、勿論、無い。俺の腕にあるのは二の腕の辺りにある縫い目と、そこから指先まで伸びるシミだらけで|皺々《しわしわ》の腕。
俺の右腕は、まるで老人の腕だった。それはそうだ。老人の腕なのだから――。
右腕のアームカバーの下にくっついている老人の腕は、俺の爺ちゃんの腕だった|モ《・》|ノ《・》だ。高校生の体から老人の腕が生えている違和感は。想像してみて。そりゃあ滑稽で変テコでしょうや。年頃の男子が隠したくなるも当然ってもんだ。
爺ちゃん――。爺ちゃんに貰った右腕と右目はすっかり俺に馴染んだよ。
――――――
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■あらすじ
1年前に一緒に交通事故に遭って亡くなった、祖父の右手と右目を移植した主人公。
ある日の学校で不思議な〝黒い靄(もや)〟を見つける。
下校時に怪異に襲われた主人公。目の前に現れた女子大生。
普通の高校生だった主人公が、大きな戦いに巻き込まれていく呪いと怪異の物語!
いぬがみとうま