あらすじ

鬼が人の肉を必要とする年齢を「喰齢」(くいのとし)という。  彼らは八年ごとに、人を食わねば生きられない。  最初に迎える「喰齢」は八歳。彼らはこれを「食べ初め」と呼ぶ。  鬼の少女アイカは、八歳のとき鬼討師の男に父と母を討たれた。彼女はこの鬼討師の男を殺し、彼の肉を口にする。これが彼女の「食べ初め」になった。  それ以来、アイカは、「八岐藍」(やまたらん)の名で人間社会を生きてきた。  高校生になった彼女は、渡辺燐(わたなべりん)という少年に出会う。学校生活を送るなかでお互いに惹かれ合い恋に落ちるふたり。  しかし、ふたりを待ち受ける残酷な恋の結末。  燐は、かつてアイカが殺した鬼討師の子。  アイカは鬼、燐は鬼討師。  そしてアイカが迎えた二度目の「喰齢」。  斬り合う運命にあったふたり。  桜舞い散る満月の夜、海辺でアイカと燐は刀を抜き、命を削り合う戦いを繰り広げる。激しい戦闘の末、アイカは燐の首を刎ね彼の肉を食べた。  その二年後、十八歳になったアイカの前に渡辺董子(わたなべすみれこ)という少女が現れる。アイカが通う高校の後輩だが、彼女は燐の妹で鬼討師だった。父と兄の仇である鬼を探していた。  その董子が、ついに鬼たちのアジト「大江館」へ乗り込んできた。  ひとり二階最奥の部屋で董子を待っていたアイカ。  階下の鬼たちを斬り伏せて部屋へたどり着いた董子に、衝撃の真実を告げる。  董子にとって憧れの先輩だったアイカは兄の仇だった。  怒りと悲しみに囚われた董子は、刀を抜いてアイカに斬りかかる。  しかし、ふたりの実力差は歴然としていた。  董子の刃は、アイカにまったく届かない。  アイカに刀を弾き飛ばされ、董子は床に組み伏せられてしまう。  戦いを制したアイカは董子の胸に「印」を刻む。それは、アイカの次の獲物であることを示すシルシだった。  春の雪国新潟を舞台に繰り広げられる人と鬼の苛酷な生存競争。その理に縛られながらも、鬼の少女と鬼討師の兄妹との間に芽生えた歪な恋。  人を食らうは鬼の業。鬼を討つは人の業。  人と鬼は生きるために殺し合う。  淘汰されるのは人か鬼か。 【主な登場人物】  アイカ  主人公。鬼の少女で酒呑童子の末裔。人間社会での名は、八岐藍(やまたらん)。 肩にかかるくらいの黒髪、雪国育ちらしい色白の肌に整った顔立ち。身長160㎝弱、細身の体格だが年相応に胸も出てウェストも締まっている美少女。  八歳ときに父親と母親を殺した鬼討師の男を殺し、その肉を食べる。八年後、その鬼討師の子である渡辺燐と出会う。ふたりは惹かれ合うも、それは理から外れた恋だった。  渡辺燐(わたなべりん)  源頼光とともに酒呑童子を討った渡辺綱の子孫。父親を鬼のアイカに殺された後、家業を継いで鬼討師となる。アイカ(八岐藍)の彼氏。父親の仇を討つべくアイカを討ちに出たが、返り討ちに会い彼女に食われてしまう。  渡辺董子(わたなべすみれこ)  渡辺燐の妹。父親と兄を鬼のアイカに殺された後、家業を継いで鬼討師となる。  父親と兄の仇を討つべくアイカと対峙するも敗れ、胸に「印」を刻まれる。この「印」は、董子がアイカの次の獲物であることを示すものである。  城山明奈(しろやまあきな)  公安調査庁特別課怪異事件対策室に所属する女性。室長の室井から指示を受けて燐や董子に鬼の情報を提供している。他方で、鬼のアイカとも繋がりを持つと思われる謎の人物。  室井右京(むろいうきょう)  公安調査庁特別課怪異事件対策室室長。数少ない鬼討師のひとり。城山明奈等に指示して燐や董子など、鬼討師たちに「鬼討ち」の依頼を出している。新潟市にある鬼の拠点「大江館」を制圧するため、公安調査庁に新設された特殊部隊を投入した。

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カクヨム2024/12/25
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