あらすじ

ただの取材旅行で訪れたつもりが、二年前にここで起こった雪子氏の不審死、———あるいは未解決事件———について、調べることになるとは。 その悲劇が起こったのは、主人兼光氏の不在中であり、その時この島にいたのは、現在もこの館に泊まっている長男俊典とその妻子真希と美香、次男の隆平に専属医の小山内咲、使用人三名と雪子氏。彼女の遺体には外傷や毒物反応が一切無かった。右腕の付け根には、火事の中俊典によって運ばれた際に付いたと見られる焦げ跡が残っていたと云うが、死因は依然不明である。しかし、ここからどのように犯人を探すのか。主人の懇願と私的興味に負けて先生は依頼を引き受けたものの、真相を突き止めるための策はあるのだろうか。そもそも、犯人は外部の人間で、今頃本土のどこかで何食わぬ顔で生きている可能性だってある。と云うか、その可能性の方が高いように思う。もしそうであったなら、いくら身を粉にして証拠を探したとしても、徒労以外の何でもない。ゴールのない迷路を右往左往するようなものである。 しかし、夕食前にご主人が云いかけた言葉が気になる。ご主人は、雪子氏を殺した犯人が今ここに居ると云うような口振りだったが、彼には何かしらの———現在この島に犯人がいると云う証拠———或いは、その犯人を見つけ出す手がかりでも持っているのだろうか。 夕食の席でのあの様子だと、ご主人はそれを家族にも教えていない。 明日からは、あくまで表向きは小説執筆のための取材として、容疑者でもある各人に二年前の事件について尋ねることになるのだろう—————

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小説を読もう2024/11/05
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