あらすじ
「ああ、ラジョーネ! 僕はなんて幸せなのだろう! 愛する恋人の君が運命の番と判明したときの喜びと言ったらもう……!!」
「うふふ。私も幸せよ、アンスタン。そして私も貴方と同じ気持ちだわ。恋人の貴方が私の運命の番で本当に良かった」
私、ラジョーネ・ジュジュマンは狼獣人のクォーター。恋人で犬獣人のアンスタンとはつい先日、お互いが運命の番だと判明したばかり。恋人がたまたま番だったという奇跡に私は幸せの絶頂にいた。
『いつかアンスタンの番が現れて愛する彼を奪われてしまうかもしれない』……と、ずっと心配をしていたからだ。
その日もいつものように番で恋人のアンスタンと愛を語らっていたのだけれど。
「……実はね、本当は私ずっと心配だったの。だからアンスタンが番で安心したわ」
「僕もだよ、ラジョーネ。もし君が番じゃなかったら、愛する君を冷たく突き放して捨てなきゃいけないと思うと辛くて辛くて」
「え?」
「ん?」
彼の口から出てきた言葉に、私はふとした引っ掛かりを覚えてしまった。アンスタンは番が現れたら私を捨てるつもりだった? 私の方は番云々にかかわらず彼と結婚したいと思っていたのだけれど……。