あらすじ
日本人男性として生きた記憶を持つ転生者フェルノ・デザイアは転生特典として『チート』を受け取りそして勇者の称号を冠することになった。そして勇者の証である聖痕と聖剣をその手に聖女、聖騎士、賢者の三人の選ばれし仲間と共に世界を支配する魔王討伐の旅に赴くこととなったのである。
だがしかし、それはフェルノが転生してきたことによって起きたバグであった。
本来の運命ならば聖女の幼馴染である敵対している相手に慈悲を掛けられる命を尊ぶ心優しき少年が勇者に選ばれ、初代勇者が導きとしてこの世界に残して人々の行く末を見守っている光の精霊を見つけ出し、紙に選ばれし仲間と共に成長しながら魔王を倒して世界に平和を齎すというのが正しき運命であった。
そしてその歪みに賢者が気付き、聖女が神に問い掛け、声を聞き届けた使徒が歪みを是正して運命を元の流れに戻すために動いた。その結果として聖女の幼馴染であった少年は勇者の聖痕と聖剣を手に入れて真の勇者という称号を与えられ、フェルノは聖痕と聖剣と転生特典であった『チート』を剥奪されることとなった。
こうして歪んだ運命は元に戻り、勇者は改めて信頼のおける仲間と共に魔王討伐の使命を果たしに行けるようになり、フェルノは転生特典と勇者の力を使い続けてきた仕返しを受けて落ちこぼれていくだろうと思われていた...が、
「こんなものか。よし、帰るぞ」
「……力を奪われたんだよな? 当然のようにドラゴンを瞬殺しているが」
「元々どっちも使っていなかったからな。消えたところで変わらん」
全てを失ったはずのフェルノ・デザイアの実力は勇者であった時と変わらずにバグみたいな実力のまま戦いに身を投じていました。