あらすじ
自主企画「筆致は物語を超えるか」【空に走る】用に書いたものです。
同じプロットでどういった違う物語が生まれるか、という企画なので私の物語での骨組みを書いておきます。
序盤の、「底辺にいる」という言葉は変化を求めない、変化が怖い、だから世界に閉じこもりたいという葵の心境を表しています。
また、中盤の雨の存在を、「葵を外の世界から守ってくれる」=「詞」への仮託としています。詞の死から立ち直るまで雨音で優しく外の世界から守ったり、モーリスにおちた雨粒等。
終盤、立ち直った葵がレースに出て、「底辺と思っていた」町や今の環境も悪くない、と現状での自己肯定感を与え、将来帰ってくる場所へと認識が変化します。ゴール後に前に進もうとした時の天気雨は、詞の「いってらっしゃい」という意味と、小説中盤で出てきた「優勝した時の写真は笑顔で」を受けて、葵の涙をぬぐって最高の笑顔にさせるためです。勿論幽霊とか超常現象の設定ではないので、感覚的にお読みください。もし、これが映像であるならば、最後は新聞記者の笑顔の写真を撮るシーンで、シャッター越しの光景とシャッターを切る効果音で終わる感じですね。