あらすじ
改元の折、何か不吉なことが起こる。江戸の市中ではそのような噂が流れた。人々はそんな噂はただの酒の席での話だと、改元に浮き足立ち、どこかそわそわとした祭り気分でいる。しかし突如上空に黒い雲が発生した。まさか不吉なことが実際に起きたのかと人々は上空を見上げた。神田明神の近くで甘酒を提供している店の名物娘、八重。生意気でませている八重は地域の人々に可愛がられている。いつも神田界隈をふらふらとしている文蔵。何で生計をたてているのか怪しいこの男は、改元に乗じて何やら準備をしているらしい。品川宿の公平。旅籠を営む家で育つ彼は暗い夜に家を出て神田を目指し、夜の道を一人で進む。三人はそれぞれが違う生活をし、見えているものも考えも方も違う。しかし、なぜか神田明神へと来ることになった彼ら。神田紺屋町に実際にいた文蔵という人物をモチーフにした江戸の神田を舞台とした威勢の良い、どこか不思議な話。