あらすじ
教室の片隅に座る高山霧子は、いつもひとりノートに向かっていた。数式や模様が描かれたそのページは、見る者を引き込む奇妙な力を放っている。しかし彼女が何を求め、何を見つめているのかを知る者はいなかった。
ある日、偶然そのノートを手にした岸本拓也は、目の前の世界が揺らぐのを感じた。数式と模様の中に隠された「対称性」。それは単なる数字の羅列ではなく、世界の隠された秘密を解き明かす鍵だった。
「これ、どういう意味なんだ?」と拓也が問うと、霧子は静かに答える。
「これは、形のパズル。世界に隠された対称性を見つけるためのもの。」
二人は次第に放課後の教室に残り、一緒に「形のパズル」を解き始める。ときに、目に見えない「影」を感じながら──。
この不思議なパズルを通して、拓也は自分の心の中にある「空っぽな何か」を見つめ始める。目に見えない「影」が何かを支え、目に見えるものがその影と響き合う。その奥にある真実に気づき始めることで、彼は初めて自分と向き合い、そして自分が本当に求めるものを探す旅に出る。
「影に映る世界」。
ふたりが紡ぐ、青春と謎解きの物語がいま、幕を開ける。