あらすじ
主人公は、二十八歳の「最強の男」迅(じん)だ。物語は妹が三人の男たちに暴行され、病院の医療ミスによって命を奪われたところから始まる。絶望から這い上がり、超人的なトレーニングで最強のボクサーであり株式トレーダーとなる。迅は手に入れた最強の拳と金を武器にして、様々な協力者を得て暴行魔と病院長を奇想天外な方法によって陥れ復讐を果たしていく。舞台は東京と上海。前半の見どころは壮大なスケールの緻密な罠だ。
計画通り妹の復讐を遂げた迅であったが、復讐の果てに想定外の事態が待ち受ける。
ここで舞台が南米アマゾンの未開のジャングルに移り、物語は大きく転換し思わぬ方向に進む…デスゲームに参加させられてしまうのだ。
後半のみどころは、立ちはだかる想定外の壁と犠牲になっていく仲間との別れだ。物語の終焉では、仲間の復讐のためのスカッとするような巧妙な罠の全貌が明かされる。そして最後は心をゆさぶる涙と拳で締めくくられる。
根底に流れているのは愛だ。妹をはじめ、失った多くの仲間の復讐を果たしていく愛する者のための復讐劇である。切なさ溢れるミステリーに仕上がっている。
また、この物語はストーリーだけでなく、登場させるパーツにも拘った。フィクションではあるが、現実に即した要素を入れた。例えば主人公が株式トレードで個人で百億円以上を稼いだという設定になっているが、現実に稼いでいる人が既に何人もいる。また、AIクローンやディープフェイク技術が登場するが、これらの技術は既に実用化レベルに達している。インターネット関連の技術であるNFTも2020年ぐらいにブレイクした技術だ。今後間違いなく日本を牽引していくだろうと思われるペロブスカイト太陽電池も面白い。いずれ社会に浸透して当たり前になると思われる先端技術だ。また、カンディル、ヒクイドリなどのあまり知られていない食物連鎖が産んだ実在する危険生物も話のネタになるだろうと登場させた。さらに、企業経営などと無縁の人には、馴染みが無いだろうが、知っておいて損はないだろうと思われる資本主義の世界で実際に使われている買収スキームも登場させている。おまけに、現在国際的に問題視されているダリエン地峡のギャングや、医療ミスの隠蔽問題などの事実に基づいた要素をちりばめることによって物語にリアリティを持たせ、彩りを加えた。