あらすじ
レモニア・ラ・メルセウェーズ公爵令嬢には大好きなものがある。それは「マフィン」だ。何よりも好きなマフィンが一つだけ皿に残されているのを見つけたレモニアは、そのマフィンを自らのものにしようと歩みを速めた。
しかしマフィンは横から伸ばされたトングによって奪われてしまったのだった。トングの主はフィオリド・マディエッセ伯爵令息。没落寸前の伯爵家の嫡男は、実家の借金返済のため援助可能な結婚相手を探しに王都にやって来たらしい。その情報を知り、レモニアはほくそ笑む。
――食べ物の恨みは深い。絶対に調べ尽くし、不幸になるさまを見届けてやる、と……。