あらすじ
現代のテクノロジーの進化は目覚ましい。スマートフォンやドローン、自動運転などがその代表例だが、中でも革新的なのはAIの発展だ。
ただ、高度なAIは便利さをもたらす一方で、深刻な悩みも生み出している。しかし、その悩みを解決するのもまたAIなのかもしれない。
ある日、『AI和尚』というアプリがリリースされたと聞き、おれはさっそくスマートフォンにダウンロードしてみた。荒波を越え、情報の海を渡りやってきたこのAI和尚は、経典を六千冊以上も習得し、葬儀でお経を読んでくれるだけでなく、人生相談にも応じてくれるという。
なんとも近未来的だが、果たしてAIが人間味のある応対をしてくれるものなのか、少々疑問だ。もっとも、生臭坊主とは違って余計な煩悩がない分、理想的な僧侶なのかもしれない。
アプリを起動すると、禅寺の庭が広がるアニメーションが流れ、鈴の音が静かに響いた。続いて障子が開き、後光をまとった和尚が姿を現した。
『こんにちは。ご相談はなんでしょう?』