あらすじ

『あんっ♡ あんっ♡ 気持ちいいよぉ♡』   なんなんだ、これは。  とある土曜日。画面の向こうで行われてる行為に目を奪われながら、俺こと初小岩実は驚愕していた。 「これ、路夏だよな……間違いなく……」  朝に母親から俺宛ての荷物が届いていたと手渡されたUSBメモリの中にあった、一本の動画。  なんだろうと思いつつパソコンに差して再生してみると、そこには俺の幼馴染にして彼女である、瀬谷路夏の姿があったのだ。 『へへっ、どうだ路夏? 俺のほうが、実のやつよりずっと気持ちいいだろ?』  いや、それだけじゃない。路夏を抱きながら熱烈な口付けを交わす男にも見覚えがある。  宇場津太郎。俺のもうひとりの幼馴染にして、親友であるはずの男が、画面の向こうで俺を蔑みつつ、裸で俺の恋人を抱きしめていた。 『うん♡ 津太郎くんのほうが、実よりずっとすごいよ♡ ねぇ、だからもっとぉ♡』  本来なら拒絶しなければいけないはずなのに、路夏の瞳にはハートマークが浮かんでおり、そこには俺など映っていない。  俺の恋人はもはや、親友だと思っていた男に陥落しきっている。  それが分かってしまった。同時に理解する。  俺は恋人を寝取られたのだ。それも、長年の親友に。  俺は恋人に裏切られたのだ。長年の幼馴染で、初恋の相手に。 『へへへっ、おい見てるか実? 路夏はお前より、俺のことを選んだみたいだぜ? 俺はお前のことが、ずっと嫌いだったんだ。俺の路夏を取りやがってよぉっ! お前から路夏を奪えて清々したぜ! ざまあみやがれ!』 「あ、ああああ……」  全身が震える。絶望が襲いかかる。  これが、これが寝取られ。これが、恋人を奪われるということなのか。  脳が破壊される感覚で、心が壊れそうになる。もうこれ以上、あの動画を見ていることなんて出来ない。 「うわああああああああああああ!!!!!」  俺の心はこの瞬間、粉々に砕けてしまった。きっともう、二度と立ち直ることは出来ないだろう。  激しい絶望感に襲われながら、絶叫とともに俺は家を飛び出そうと―――― 「うわ「うわああああああああああああああああああああああああ!!!!!」…………って、え?」  したのだが。  それより先に部屋のドアが開いたかと思ったら、次の瞬間俺の絶叫は更に上のクソデカボイスによってかき消された。

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カクヨム
カクヨム2024/12/14
  • 現在の作品幼馴染の寝取られ動画を見て絶望し、部屋を飛び出そうとしたら母親の寝取られ動画まで送られてきたことに混乱し宇宙猫になっていたら、寝取り相手である親友の謝罪動画配信を見ることになり、心の底から地獄です