あらすじ
29歳のケンゴ・アラマキは、世界をまたにかけた元傭兵にして多言語使い。高校時代には柔道、ボクシング、空手、キックボクシング、ブラジリアン柔術で全国トップクラスの実績を誇り、その後は海外を渡り歩き、実戦で技と精神を研ぎ澄ませてきた。身長170センチ、体重70キロ、体脂肪率5%の精悍な体格と、あらゆる格闘技を融合した戦闘センスは“人間兵器”と呼ぶにふさわしいほど圧倒的だ。
だが、その男はタバコをふかし、舌鼓を打つ。食べ物なら何でも気になる食欲旺盛ぶり。異様な強さと天才的な腕前を示しつつ、英語やフランス語を絡めて外国人選手を天然かつさりげない言語指摘で混乱させ、「これ、食べられるのか?」などとズレた質問を連発する。そのアンバランスなキャラクター性が、格闘界で異彩を放つ。
日本への帰国は、育ての恩師の危篤がきっかけだった。恩師は最期に「世界一になる姿が見たかった」と願いを残し、ケンゴはその期待に応えるため再び拳を握る。国内外の強豪が集う大会、裏社会の黒い欲望、恩讐渦巻くライバルたち――何者もケンゴの前には立ちふさがれない。戦えば圧勝。傲慢な敵は悉く打ちのめされ、その強さとマイペースぶりに観客は戦慄し、笑い、そして喝采を浴びせる。
拳で世界を制し、胃袋で世界を味わい尽くす。食と拳、二つの欲求を満たしながら「世界を喰らう」ケンゴ・アラマキが、痛快無比な伝説を紡ぎ始める。