あらすじ
「お前は怖いんだよ! だからもう婚約破棄する!」
王宮舞踏会の会場で、コットン王子はそう叫んだ。
ざわめく観衆の中で扇を口もとにあて、首を傾げる女性はコットン王子の婚約者リンネルだった。
「ほほほっ、ご冗談を」
そう言う彼女は、心底楽しげに笑った。
リンネル侯爵令嬢は、非の打ち所のない完璧令嬢。時々魔獣退治にも参加し、おおいに国に貢献する女傑でもある。その上、輝く金の髪のこの上なく美しい女性だ。
どこに不満があるのかと、彼女はまた首を傾げる。
「………分からないのか? お前は俺のピーちゃんをいつも苛めるからだ!」
観衆は固唾を飲んで見守る。
その時遠くから小鳥が飛んできた。
「ピーッ、ピッ」
王子を守るように彼の前にちょこんと座る。
「っち。また貴女ですか? もういい加減になさいな」
小鳥に話かけるメルヘン展開だが、両者険悪ムードである。
少女VS小鳥
どうやら小鳥には、亡くなった太后(王子の祖母)が憑依しており、いつもリンネルを邪魔する。
リンネルの魔法スキルは吸収と開放。
そのスキルで魔獣や反逆者を吸収し、ぺらぺらの紙状にする。あくまで一時的で、開放で元に戻る。
勿論燃やしたり破けば、復活不可である。
国王は彼女を自国に留める為、幼い時に王子と婚約させた。