あらすじ
自動車産業の盛んな日本有数の工業都市、栗栖市。
その華やかな主要中心部から寂れに寂れた南部にかけての一帯を占める街、帝苑町。
そんな煌びやかな鉄とうらぶれた鉄で構成された街の真夜中を、闇に紛れるような漆黒の流線型の車体に不似合いな黄色い行灯を掲げて疾走する個人タクシー。
車種はエイト社の最新式電気自動車、ローレライの試作型『ローレライ02NEV』
チューンアップを施された世界にたった一台のプロトタイプであり、何かが取り憑いているセダンモデル。
そのハンドルを握るのは、夜坂零二。
無愛想で、寡黙な男。
愛飲する煙草は、JPSのKSボックス。
愛聴する音楽はイギリスのオルタナティブ・ロックバンド、Radiohead。
そして、何か人と違う特質があるとすれば――幽霊が視えること。
夜坂零二は今日もローレライを駆り、夜の街を走る。客として乗せるのは、生者か、死者か。
連作短編、オムニバス形式の現代ホラー長編です。
僭越ながら、カクヨムコンテスト10のカクヨムプロ作家部門応募作品です。よろしくお願い致します。