あらすじ
「ふーっ……」
『おや、朝からお疲れのようですね』
「ん、ああ、昨夜飲みすぎちゃってさ。それで寝坊して、朝から大慌てだったよ。ははは」
『でも、会社には遅刻しませんでしたね。立派ですよ』
「ふふっ、ありがとな。あ、今の話、課長には内緒だぞ」
『もちろんです。それで、眠気覚ましにコーヒーでもお持ちしましょうか?』
「ああ、頼むよ」
『かしこまりました』と一太郎は言って、給湯室のほうへと歩いて行った。まったく、よくできたロボット、いや同僚だ。
おれは軽く伸びをしながらオフィス内を見渡した。社員たちは朝からきびきびと働いている。その中に混じるロボットたちも、まるで人間のように動いている。うちの会社では社員の三分の一がロボットだ。彼らは通常業務だけでなく、今のように周囲のサポートも欠かさない。疲れていると気づけば気遣いの言葉をかけてくれるし、時には冗談まで飛ばして場を和ませる。ロボット開発が進んだおかげだ。最近では、ロボットが「家族」の一員として迎えられる家庭も増えているという。何も不思議なことではない。彼らは人間味があり、心を癒す存在だ。