あらすじ
誰もが15歳になるとスキルを授かる世界。
スキル【3分間無敵】。
物理や魔法、全ての攻撃を無効化するスキルを授かった青年ーーリノアード・グレイ。
強力なスキルに聞こえるが、攻撃に関しての特性はなく、リノアードの筋力と耐久はどれだけトレーニングを積んでも[F]から変動しない呪いを受けている。
だからこそ、リノアードは魔物との遭遇時に1人で駆け出し、敵の行動パターンやスキルをメンバーたちに観察させる仕事、Sランクパーティーの『実験体』として日々を過ごしていた。
「最強の囮」などとバカにされても、幼馴染の恋人もいるし生活に困らないだけの収入もある。リノアードはこの生活に満足していた……のだが、
「ぁっ、んんっ、はぁっああっ!!」
部屋に帰ると同棲中の恋人がパーティーリーダーと乱れていた。
(……ぁっ。俺、転生してるわ)
そのあまりに衝撃的な光景を目の当たりにした瞬間に前世の記憶が蘇った。
前世でもNTR、夜の公園で項垂れていたら親父狩りに遭い、鉄パイプで頭をかち割られてそのまま死んだんだった。
まさに踏んだり蹴ったりのクソみたいな前世。
(ハハッ、異世界でもNTRんのかよ……)
どうやら、今世もクソみたいだ。
バカバカしい。もう好きにしてくれ。
慰謝料をがっぽり貰うだけで勘弁してやる。
せっかくの異世界。
「正真正銘の『無敵』になって誰よりも自由に異世界を謳歌するぞ」
転生者であると自覚したリノアードは決意する。
(さてさて、まずは攻撃手段を探さないとな)