あらすじ
堅物令嬢と揶揄されるリラは「真面目くさった女はいらない」というひどい理由で婚約破棄されてしまう。
夜会で恥をさらし、居場所を失った彼女を救ったのは、美しい青年歌手アルカンジェロだった。
心優しいアルカンジェロに惹かれていくリラだが、彼は高い声を保つため、少年時代に残酷な手術を受けた「カストラート(去勢歌手)」と呼ばれる存在。教会は、子孫を残せない彼らに結婚を禁じていた。
禁断の恋に悩むリラのもとへ、父親が新たな婚約話をもってくる。相手の男性は親子ほども歳の離れた下級貴族で子だくさん。数年前に妻を亡くし、後妻に入ってくれる女性を探しているという、悪い条件の相手だった。
望まぬ婚姻を強いられ未来に希望を持てなくなったリラは、アルカンジェロと二人、教会の勢力が及ばない国外へ逃げ出す計画を立てる。
仮面舞踏会の夜、二人の愛は通じ合い、結ばれる。だがアルカンジェロが自身の秘密を打ち明けた。彼の正体は歌手などではなく、十年前に毒殺されたはずの王子だったのだ!
二人は子供の頃に茶会で出会っており、互いに初恋の相手だったという嬉しい事実も判明する。
しかし迫りくる暗殺者から逃れるために、リラはこれまで従ってきた貴族社会のルールを破って、愛のために行動を起こさなければならない――
堅物令嬢と言われてきたリラは、勇気を出して鳥かごから飛び出すことができるのか?
そして今も正体が明らかにならない暗殺者は一体誰なのか?