あらすじ
あらゆる病や障害を克服した2030年でも唯一治せない病があった。その病を患うからこそ、望む誰もが普通になれる社会において普通の外で藻掻くしかできないでいた17歳の少年、林本永遠《とわ》は3年間ひきこもっていた。
だが外へ出たいと切望していた。そんな中、文明の担い手と称される企業からメールが届き、一歩を踏み出す。
ただ一人ではなかった。企業に問われた理想の異性像を伝えると一糸纏わぬ姿で家に現れた瑠璃乃と名乗る美少女がパートナーだという。
彼女に請われ、人生初のデートへと繰り出し、最初から好感度120%の好意と99・9%デレのツンデレを向けてくる天真爛漫な彼女を前に永遠は癒やされていく。
ところが出先では元同級生からの侮辱にも曝された。それを瑠璃乃と共に乗り切った矢先、彼女が突然消失。代わりに現れた企業の者に彼女の真実を告げられる。
未知の素粒子……万能の弦エルイオン。その集合体が瑠璃乃であり人間ではない。パートナーの理想像を基に生まれ、永遠の脳内で変質したエルイオンを対価に彼の病を癒やすのが彼女の役目だという。
更にもう一つ、異形の処理があった。大災害を対処可能な形で変換した存在を制圧するため、彼女は戦わなければならない。そのための燃料になるのが永遠の役割だったのだ。
逃げだしそうになる永遠。だが瑠璃乃への報恩のため踏み止まる事を選ぶ。
彼は戦えない。
が、必死に彼女を想う。
瑠璃乃に抱かれ共に戦場を舞い、一度は異形を退ける寸前まで持ち込むも彼女がまたも消失。企業の者に原因は君だと吐き捨てられる。
瑠璃乃にとっての代価は愛されるほど多くなる。それ故の理想像、優れた容姿。が、永遠にとっての理想像は端から彼女ではなかった。それは彼女を生み出したのが彼ではなく、前がいた事を示していた。
永遠は身勝手に落胆する。だが頭に過るは瑠璃乃の笑顔。彼は再び立ち向かう事を選び、彼女と対等であるために奮闘する。
二人は異形を打ち倒し、普通には遠くても新しい道をみつけるのだった。
……という前作の結末から一転、永遠は、とんでもないものを背負うこととなってしまう。
従事した案件で発生した装備・設備・特殊車両の修繕費は全て、永遠に請求されることになっていたのだった。
巨額の債務を背負ったに等しい永遠は、それでも何とか前を向き、瑠璃乃の支えもあって前向きに一緒に歩いて行くことを選ぶ。
温かく林本家へ迎えられ、瑠璃乃は満たされた気分だった。
だが、食事を摂れない。眠ることができない。人間の体を持たないため、一緒にできることが限られる不自由を彼女は後ろめたさと捉え、申し訳なく感じてしまう。
生身を手に入れたい。
パートナーのために人間になりたい。
そう強く望んだ。
けれど、肉体という枷は、アザレアージュとしての強さを間違いなく減退させることも分かっていた。
だから彼女は苦悩しつつも、人間になることを諦めるのだった。
全ては永遠のために。
そんな瑠璃乃の願いを知ったとき、永遠は何を思うのか? どう動くのか?
これは、二人が幸せになるために、覚悟を示す物語……。
※シリアスになりすぎないように、コメディパートも多めに用意しました!
どうか読んでいただけると嬉しいです!