あらすじ
人よりも周囲から気づきを得るのが得意な女学生、鹿倉由美絵《しかくらゆみえ》は、ある日インターンシップの帰りに駅前の雑踏の端に座り込んだ男、新部高典《にべたかのり》に気を留めた。
上質なメンズスーツを身に着けた中で、シャツだけをしわだらけにした高典に興味を覚えた由美絵は、高典の油断を誘って行きつけのバーラウンジへと連れ込む。レディススーツから色気のあるワンピースドレスへ着替えた由美絵に翻弄されつつ、高典はひとまず一杯を共にすることにした。
カウンターに並びでカクテルを飲んでいると、由美絵は高典のシャツのしわについて尋ねる。高典はその所以を喋ってみせるが、そこに嘘があることを由美絵は看破した。
シャツにしわをつけたのが他ならぬ高典自身であることを由美絵に指摘された高典は、逡巡を経て質問に答える条件を由美絵に持ちかける。ショットグラスに注がれた酒を一方が飲んだら質問ができて、もう一方は答えなければならない一問一答だ。由美絵がシャツのしわの”なぜ”を問うなら、由美絵も高典の質問に答えなければならない。由美絵は酒の余興を受け入れた。
お互いに飲んでは問い、問われては答えを交互に繰り返すうち、由美絵は自身の中で納得のいく答えに辿り着いた。その答えを示された高典は、回答を継いで自ら語る。シャツのしわは高典の新人時代の失敗と分不相応だった傲慢さの象徴だった。
秘密を語り合った2人はしばらくただの友人の様に酒を交わす。楽しい一時を過ごし終えると、由美絵は青シャツの襟を正してラウンジから去る高典を見送った。
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「三題噺スイッチ改訂版」から出力したお題で三題噺。
'23/12/31出力。
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https://note.com/mistbind_artisan/n/na96c5f4050af#f30ad3bc-c9d5-4cd9-b9d3-51c1182ae04c