あらすじ
小学六年生、ヒーローになりたかった女の子「皇妃 姫」。
小さくて、柔らかい華奢な体とは裏腹に前を真っ直ぐ見すえる大きく強い瞳は正義に燃える光の焔。
ふわふわした長い茶髪の、まるで童話の世界にいるみたいな気高いお姫様。
小学校で彼女の立場はまさに「皇姫さま」。
そんな姫と同クラスに居る、すらっと伸びた背筋を丸め、陰があるが紛うことなき美形。
その美しい白面を漆黒の長く艶やかな黒髪で世界から阻む。
線の細い体を申し訳なさそうに縮め、弱々しさ湛えた目をした「乙丸 光」。
国語の時間、源氏物語に関連して苗字の話題で「乙丸」関連へと。
(ソイヤこの前源氏物語の大河ドラマ見たけど乙丸って平安時代は従者の名前だったんだーとセンセ悪気ZERO)
それがきっかけで「従者」とあだ名され同クラスの男子に虐められる光を見かけた姫は光を颯爽と助ける。
育まれる友情。しかし光は姫に友情以上の感情を持ってしまう。
そして、姫も知らず知らずのうちに光に対して好意を抱いていく。
そんな2人に悲劇が襲いかかる。
姫は15で交通事故に遭い、身体機能的になんの問題もないはずなのに意識だけが戻らない植物状態に。
だが姫には狭いが病室という名の世界が見える。聞こえる。感じる。香る。思考もするし身体接触時の人の温もりも触れられたら分かるのだ。
でも話せない。動けない。反応を返せない。
ヒーローになりたかった姫は眠り姫になった。
彼女を起こそうと当初大挙して見舞いに押しかけた者たちは時が流れて消えていく。
残ったのは従者と呼ばれていた光と姫の家族。
眠りの狭間で流れていく時間と積もる恋情。
どうしようもなく時だけが流れ。
光は恋を込めて姫を思い子を作った。姫が眠り姫になってから25年。その愛の象徴である子どもに命の危機が訪れる。
それを狭い世界の中で知った姫は眠り姫からようやく、長い時間蝕んでいた植物状態という名の自身の呪いを解呪。
そして眠り姫なんてひ弱なヒロインじゃなく。
ヒーローとして。
子どもを。
自分と、自分の大事な人が愛したあの子を。
これは、ずっとヒーローになりたかった姫が3年と25年かけてようやくおひめさまからヒーローになれたキセキのような恋の物語。