あらすじ
( 第1回ルビーファンタジーBL小説大賞に向けてのあらすじです)
高校二年生の鳥海優希は、早朝母に送り出され、修学旅行に行く。日中は観光をし、夕方、肝試しをする河にて友人の佐伯に「後続の女子を驚かせる」悪戯を持ちかけられる。出発後、佐伯の合図で林を逆走するが、気が付けば佐伯の姿は無く、崖から何者かに押されて河に転落する。
朝目覚めると、啓秀と名乗る宮司の青年に保護されるが、有無を言わさず一人軟禁される。
昼頃戻ってきた啓秀に事情を話すが、話が噛み合わないまま、身体を清めると称して隅々まで改められる。
疲れて眠ってしまった優希が目を覚ますと夕方になっており、戻ってきた啓秀に半ばパニックを起こしながら事情を話し、帰りたいと懇願する。
しかし夜は狼が徘徊しており、外に出る事は自殺行為だと説明される。そこで、ここが二百年程前であると判明する。
啓秀は優希をこの社で保護をする為にも、優希が稀流人神として役目を果たさなければならないと言う。役目とは旅人をもてなすことであり、場合によっては同衾が必要な場合もあると言う。優希は拒絶するが、男に相手をさせる者は早々居ないとも聞き、何とか説明だけの教えを受ける。又、行商との取引も役目である。
優希は「稀流人神の役目は村の検疫と、村の血が濃くなるのを防ぐ為の装置である事が分かった」と言う。啓秀は動揺するが頷く。
啓秀は優希があるべき場所に帰れる様、村の神隠しの記録を調べる。また、優希が泣いていたのを心配しておもちゃを持ってくるが、社が狭いのと、年相応では無いので遊べない。
何が欲しいか聞くと「書くものと紙が欲しい」というので持ってくる。紙を作りたいというので紙漉きの道具も渡す。
優希は試作品としてひらがなを学べるカルタを作り、啓秀に提案する。啓秀は驚くが、理由を尋ねると、「啓秀が村の子供に字を学ばせたそうにしていたから」と言われる。試験的に数組を子供に与えてみると手応えがあり、啓秀と優希はカルタ作りに勤しむ事に。
一人目の旅人が社を訪れ、身体を求められる事無く朝に送り出したが、優希は啓秀に、「初めは啓秀に教えて欲しい」と懇願し、身体を繋げる。
伝染病を持ち込まない為にも、最初の教え以降性的な接触は出来ないが、それでも心だけは繋がって居られるようにと、啓秀は使えなかったカルタで二枚一組の護符を作り、片方を優希に持たせる。
しかし、村の意向で啓秀は他所の村の娘と交換で村を出る事になり、稀流人神の後釜も決まったので、啓秀は優希を殺すか売るか選べと迫られた上に監禁される。
優希が数日戻らない啓秀の身を案じていると、二人目の旅人が訪れる。危うく強姦されそうになるが、脱獄してきた啓秀に助けられ、夜であるのに「ここから出る」と言われる。
死出の旅に誘われた優希は啓秀の手を取り、二人で崖から身を投げる事を覚悟するも、啓秀は優希だけを河に落とし、自身は狼に殺される。
病院で目覚めた優希は啓秀の生まれ変わりである佐伯と再開し、懺悔する佐伯を宥め、保護者の手を借りてあの日落ちた崖を訪れ、そこにあった啓秀の護符であるカルタを見つける。二人は話し合い、カルタを河に投げて、護符が無くともずっと一緒に居ることを誓う。
(以前ムーンライトノベルズで、「『今日からあなたが神様です』俺、神様なんて出来ません!」というタイトルで掲載していたものを、公募に向けて改稿したものです)