あらすじ
時は、明治四十年。江戸時代四百年と続いた桜川幕府は、明治と元号を変えた後でも続いていた。尊王派が敗れ、佐幕派が勝利。各藩は大名が治め、幕府は、十八代将軍桜川家信がその職についていた。しかし、現在、家信は、病床に臥し、嫡男家唯が次期将軍となるはずであった。
だが、この年の早春。乗馬で山を散策中の家唯が死亡。
次期将軍の座を巡り、家唯の正室、側室、桜川御三家が駆け引きを始めるのだった。
一方で、現代。
有名私立大学に通う田中美海は、バイトを3つ掛け持ちしながら、忙しく暮らす工学部生。
カーデザイナーになるという夢に向かって奨学金を使い、岩のようなリュックを背負い、節約生活をつづけながら真面目に講義を聞いている。
小学校からエスカレーターで大学に来る内部生のお金持ち学生たちとは、無縁だ。
いや、無縁だった。
大学一の有名人、桜川和正と出会うまでは。
桜川幕府を開いた桜川家の子孫である桜川和正。
何不自由のない環境で育ち、悠々自適に暮らしている。
底辺学生田中美海と明治幕府の世界へと飛ばされるまで、触れ合う事もなかった二人の人生が交差し合う。