あらすじ
僕には前世の記憶がある。だからここが貞操逆転世界だと分かる。狂っているとは思わない。そんな言い草はこの世界で生きる人達に失礼だし、彼らから見れば狂っているのは僕の方だし、君達からしても僕の方が狂ってる寄りの人間だと思う。でも仕方ない。前世の記憶がある人間が普通になんて生きられるわけがない。
実質的なセカンドライフ、歪な男女比、前世とは異なる男と女の生態、それでも世界は回っていて、社会は収斂し同じような問題を抱えている。僕は天使になりたい。そう思いながら前世を生き、そうはなれずに死んでしまった。綺麗ごとの話じゃないとは言わない。僕はただ、嫌な事をしたくないだけだ。それでも人が生きるにはなにかをしなければいけない。何もしないという事すらなにもしないという事をしているのだから。嫌な事をせずに生きて行こうと思うと必然的に好きな事をして生きていかなければいけなくなる。天使になりたかったのはそういう理由だ。
願わくば、今世ではそれが出来ますように。幸いにも、今世ではそれを叶える力がある。僕は男だ。飛び切りの美少年だ。ただそれだけの事で僕は愛され認められ価値を与えられる。それは力だ。僕はそれを利用する。利用せざるを得なくなる。炎がただ有るだけで周りの物を燃やしてしまう様に、僕の力は僕の意思とは関係なく周りに影響を与える。
良い影響もあれば悪い影響もある。僕はそれをコントロールする。女達を誘惑し、女達と身体を重ねる。相手がそれを望み、僕もそれを受け入れる。数多の女が僕の上を通過して僕の影響を受ける。それが良い影響である事を僕は願い、そうなるように意識して、そのように振る舞う。
僕は天使だ。僕はビッチだ。僕はヒーロー気取りだ。僕は男だ。僕は僕の可能な範囲、余裕の範囲、好き嫌いの範囲で行動し、成功したり失敗したりする。この世界の女達はみんなスケベでバカなお猿さんだ。前世の僕がそうだったように。
そういう話だ。
そういう話がこの先に書いてある。