あらすじ

6歳のナシムは自分の右腕を捨てて、父の機械仕掛けの右腕を継いだ。 コピー銃を密造して収入を得て、家族を支えるためだ。 アフガニスタンとパキスタンの境に横たわる山岳地帯には、どちらの国の法も及ばない。パシュトゥン人たちはそれぞれの伝統と信仰に従って生きている。 コピー銃の密造を伝統産業としている村に生まれたナシムは、いなくなった父親の機械仕掛けの右腕を装着してカラシニコフ突撃銃(AK-47)のコピー商品を造っている。父の機械の右腕は大きくて、六歳のナシムの体は腕に引きずられるように傾いている。 日がな一日、工房で銃を造り続けるナシムは、友人カファヤトゥラの訪れを楽しみにしていた。 カファヤトゥラは機械仕掛けの両脚で山岳地帯を駆け回る郵便屋だ。友人はいつも、ナシムの父からの短い手紙をこっそりと届けてくれるのだ。 ある日、カファヤトゥラは少年アルアウェルを連れてナシムの村に来た。家族のトラブルで父親に命を狙われたアルアウェルを、ナシムの村で保護してもらうためだ。 アルアウェルはカファヤトゥラに救われたことを恥じている様子だった。 「女に助けられたことが情けない」と言うのだ。 ナシムにとってカファヤトゥラは、年上の「男の」友人だった。男だからこそ自由に村から村へと駆けられるのだと信じていた疑わなかった。 けれどアルアウェルは、カファヤトゥラは「男装をしている女(バチャ・ポシュ)」だと言う。 カファヤトゥラが女性だと知ったナシムは戸惑いながらも、彼女との友情を守ろうとする。

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カクヨム
カクヨム2021/01/01
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